目次
暗送秋波の読み方と意味
■ 四字熟語
暗送秋波(あんそうしゅうは)
■ 読み方
あんそうしゅうは
■ 意味
「暗送秋波」とは、言葉を使わず、視線やしぐさで相手に密かに好意や気持ちを伝えることを意味する四字熟語です。
特に男女間での恋心を、目線や態度でそっと示すような場面で使われます。
- 「暗送」は、ひそかに送ること。
- 「秋波(しゅうは)」は、美しい女性の目の輝き、または物静かで美しい目元を表します。
※ 現代では比喩的に、恋愛以外の場面でも、密かに取り入ろうとする態度やアプローチを表す場合もあります。
暗送秋波の語源と出典
■ 出典
中国・唐代の詩人 王勃(おうぼつ)の詩句より
「送秋波而流盼(秋波を送りて盼(なが)めを流す)」
この表現が転じて、美しい女性が目で密かに思いを伝える様子を「秋波を送る」と言うようになり、さらに「暗送秋波」という四字熟語が形成されました。
暗送秋波の使い方と例文
■ 用例・使い方
- 彼女は言葉ではなく、暗送秋波で想いを伝えていた。
- あの営業担当は、重役に暗送秋波を送り続けて昇進したという噂だ。
- 暗送秋波のようなやり取りには、言葉以上の深さがある。
■ 注意点
恋愛的な意味が強いため、ビジネス文書や目上の人への使用は注意が必要です。また、皮肉や軽蔑の意味で使われることもあるため、文脈に応じて使い方を選びましょう。
暗送秋波と関連する四字熟語
四字熟語 | 読み方 | 意味 |
---|---|---|
秋波送眼 | しゅうはそうがん | 美しい目で密かに好意を送ること |
色即是空 | しきそくぜくう | 見た目や情に惑わされることの無意味さを説く仏教用語 |
情愛纏綿 | じょうあいてんめん | 深い愛情が心に絡みついて離れないさま |
面授腹誦 | めんじゅふくしょう | 言葉に出さなくても思いが通じ合う様子 |
意馬心猿 | いばしんえん | 心が落ち着かず、あちこちに気が散る様子(恋愛における迷いにも) |
暗送秋波が使える場面とは?
■ 恋愛・ドラマの描写に
言葉を交わさなくても想い合うようなシーンにぴったりの表現です。
■ 転職や社内政治などの比喩に
「上司に暗送秋波を送る」などのように、取り入ろうとする隠れた態度を揶揄する文脈でも使われます。
■ 小説・詩・和歌に
控えめな愛情表現や、静かな情感を描写する文学的表現としても美しく活用できます。
まとめ:暗送秋波は、言葉なき想いを伝える上品な表現
「暗送秋波」は、恋愛の微妙な機微や、秘められた感情のやりとりを繊細に表す四字熟語です。
時には純粋な好意を、時には裏のある策略を意味することもありますが、その背景には**「目は口ほどに物を言う」**という日本人らしい美意識が息づいています。
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