i127｜一殺多生（いっせつたしょう）とは？一つを犠牲にして多くを救う四字熟語

一殺多生の読み方と意味

読み方

いっせつたしょう

意味

「一殺多生」とは、一人または一つのものを犠牲にすることで、多くの人命や利益を救うことを意味します。

• 「一殺」＝一つを殺す、または犠牲にすること
• 「多生」＝多くを生かすこと

現代的には、全体の利益や大多数の命を守るために、やむを得ず一部を犠牲にするという選択を表す言葉として使われます。

一殺多生の語源・由来

出典

仏教用語や兵法思想に由来するとされます。
特に仏教では、一つの命を断つことで無数の命を救うという、方便（ほうべん）的な慈悲の考えとして説かれています。
兵法では、戦略的判断として一部を犠牲にして大勢を救う戦術を指す場合があります。

一殺多生の使い方と例文

使用シーンのポイント

• 苦渋の決断や犠牲を伴う判断を表現するとき
• 公益や大多数の利益を優先した行為を述べるとき
• 政治・軍事・医療・災害対応などの文脈で用いられることが多い

例文

• 指揮官は一殺多生の覚悟で橋を落とした。
• 医師は一殺多生の判断で危険な手術を決断した。
• 災害時、一殺多生の選択を迫られる場面もある。

一殺多生と関連する四字熟語

四字熟語	読み方	意味
捨身取義	しゃしんしゅぎ	自分の命を捨てて正義を守ること
犠牲奉公	ぎせいほうこう	自分を犠牲にして人のために尽くすこと
先憂後楽	せんゆうこうらく	先に苦労し後に楽しむことで、全体の利益を優先すること
捨生取義	しゃせいしゅぎ	命を捨てても義を守ること
利他精神	りたせいしん	他人を思いやり、自分より他人の利益を優先する心

まとめ：一殺多生は苦渋の中の慈悲や戦略を示す言葉

「一殺多生」は、一部を犠牲にして多数を救うという、道徳・戦略・慈悲が交差する概念です。
現代でも政治・軍事・医療など様々な場面で議論されるテーマであり、命や利益の価値について考えるきっかけを与える四字熟語です。