目次
暗香疎影の読み方と意味
■ 四字熟語
暗香疎影(あんこうそえい)
■ 読み方
あんこうそえい
■ 意味
「暗香疎影」とは、ほのかに漂う香りとまばらに映る影のことで、梅の花の気品ある佇まいや美しさを表現する四字熟語です。
- 「暗香(あんこう)」:目には見えないが漂ってくるほのかな香り
- 「疎影(そえい)」:まばらに差す光によってできる淡い影
転じて、控えめでありながらも、風情と存在感を持つ美しさや品格のある人物・風景を形容するときに使われます。
暗香疎影の出典と語源
■ 出典
北宋の詩人・**林逋(りんほ)**の詩『山園小梅』より
疎影横斜水清浅、暗香浮動月黄昏
(疎影は横斜にして水清浅く、暗香は浮動す月黄昏)
この詩句では、梅の花が水辺に映し出すまばらな影と、ほのかに漂う香りの情景が描かれ、風雅で清らかな美しさが表現されています。
暗香疎影の使い方と例文
■ 用例・使い方
- 彼女のたたずまいは、まさに暗香疎影のごとき気品があった。
- 梅林を歩けば、暗香疎影の風情に心が洗われるようだ。
- その庭園は、暗香疎影の世界そのものであった。
暗香疎影と関連する四字熟語
以下は、「暗香疎影」と近い意味・雰囲気を持つ四字熟語です。
四字熟語 | 読み方 | 意味 |
---|---|---|
清風明月 | せいふうめいげつ | 清らかで風雅な自然の美しさ |
玉貌花容 | ぎょくぼうかよう | 美しい容姿を持つ女性のたとえ |
静影沈壁 | せいえいちんぺき | 静かな影が壁に落ちる様子。静謐な風景 |
柳暗花明 | りゅうあんかめい | 景色が一変して明るくなる様子、美しい春の情景 |
淡粧濃抹 | たんしょうのうまつ | 控えめな化粧も濃い化粧もそれぞれの美しさがあるという意味 |
暗香疎影が使われる場面とは?
■ 文芸・芸術表現として
詩や短歌、俳句などで梅や自然の美を象徴的に表現する際によく用いられます。
■ 品格ある人物描写に
上品で控えめな印象を与える人を形容する際にも「暗香疎影」は適しています。
■ 季節の挨拶・風流な文章に
年賀状や俳句、風雅な挨拶文など、季節感や気品を表したいときにぴったりの表現です。
まとめ:暗香疎影は、奥ゆかしくも深く心に残る美の象徴
「暗香疎影」は、派手ではないが心にしみるような静かな美しさや気品を表す、非常に詩的で格調高い四字熟語です。
日本文化にも通じる「控えめな美」「幽玄の世界観」にもつながり、日常に取り入れることで感性を豊かにしてくれる言葉です。
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