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安分守己の読み方と意味
■ 四字熟語
安分守己(あんぶんしゅき)
■ 読み方
あんぶんしゅき
■ 意味
「安分守己」とは、自分の身の程をわきまえて、分に安んじ、自分の本分を守って生きることを意味する四字熟語です。
- 「安分(あんぶん)」は、自分の立場や境遇に満足し、不満を持たずにいること。
- 「守己(しゅき)」は、自分の本分や節操を守ること。
転じて、欲張らず、誠実に堅実な人生を歩む態度を表します。
安分守己の語源と出典
■ 出典
『宋史(そうし)』・李昉伝(りぼうでん)
「安分守己、以成其行」
(分に安んじ、己を守って、その道を全うする)
中国宋代の人物・李昉が実践した生き方を表す言葉とされており、道徳的・自己抑制的な価値観が背景にあります。
安分守己の使い方と例文
■ 用例・使い方
- 成功を焦るより、安分守己の姿勢を持つことが大切だ。
- 安分守己に徹した彼の生き方には、重みと品格がある。
- 欲をかかず、安分守己の道を歩むのも人生の賢明な選択だ。
安分守己と関連する四字熟語
以下は、「安分守己」と意味や価値観が近い四字熟語です。
四字熟語 | 読み方 | 意味 |
---|---|---|
知足安分 | ちそくあんぶん | 足るを知り、身の丈に合った生活をすること |
謙譲温和 | けんじょうおんわ | 謙虚で穏やかな性格 |
守株待兎 | しゅしゅたいと | 古いやり方を守ってばかりで、新しい行動を起こさないこと |
無欲恬淡 | むよくてんたん | 欲がなく、淡々としていること |
自重自愛 | じちょうじあい | 自分の言動に責任を持ち、自らを大切にすること |
安分守己が使える場面とは?
■ 日常生活・生き方
欲望に流されず、堅実に生きたいときや、自分を律する生き方を意識したい場面で。
■ 老荘思想や禅的価値観の文脈で
「無理をしない」「あるがままを受け入れる」精神と親和性が高く、哲学的・道徳的な文脈でも使われます。
■ 教育・人材育成の場で
若者や部下に対して、派手さよりも誠実な行動の重要性を伝える際のアドバイスとしても適しています。
まとめ:安分守己は、静かで力強い人生の美徳
「安分守己」は、現代のせわしない社会においてこそ見直されるべき美徳です。
他人と比べず、今あるものに感謝し、自分の道を着実に歩む。そうした生き方の中に、深い幸せや安心があることをこの言葉は教えてくれます。
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